育成就労制度
1.制度の概要
育成就労制度は、2027年までに技能実習制度に代わって新設される予定の外国人就労制度です。開発途上国出身の外国人材が、日本で一定期間、労働を通じて技能を学びつつ、将来的には「特定技能」などのより高度な在留資格への移行を目指すことを目的としています。 従来の技能実習制度よりも実効性と透明性が高く、労働者の保護とキャリアパスの明確化に重点が置かれた制度です。
- 参考：育成就労制度について
2.制度創設の背景と目的
- 技能実習制度の見直し：人権侵害・転職不可などの課題に対応し、新制度への移行が検討されました。
- 人手不足への対応：一定の基礎教育を受けた外国人が育成を受けつつ、現場の人材不足を補います。
- キャリア形成支援：特定技能等への移行を前提とした育成型の在留資格と位置づけられています。
3.対象職種・分野
2025年時点では検討段階であり、特定技能と同様の業種（介護、建設、製造、農業など）が想定されています。正式な対象職種は今後、法務省・厚労省等の発表により確定されます。
4.対象者・在留資格
育成就労制度の対象は、18歳以上で基礎的な技能・日本語能力（概ねN5〜N4相当）を有し、日本での就労・生活に適応できると判断された外国人です。
| 区分 | 特徴 | 在留期間 | 移行先 |
|---|---|---|---|
| 育成就労（仮称） | 基礎技能を習得しながらの就労 | 原則3年間 | 特定技能1号・2号、その他関連資格 |
5.育成就労に関わる関係機関
| 関係機関 | 役割 |
|---|---|
| 受入れ企業 | 雇用契約、技能指導、労働・生活支援の実施 |
| 雇用契約、技能指導、労働・生活支援の実施 | 日本語・生活支援、相談対応など（登録制の可能性） |
| 出入国在留管理庁 | 在留資格の審査・管理 |
| 試験実施団体 | 技能評価制度の設計・運営 |
| 送出機関（海外） | 人材の募集・育成・送り出し（協定国のみ） |
6.受け入れの流れ（想定）
- 現地での候補者選抜・育成研修（日本語・基礎技術）
- 雇用契約・支援計画の策定
- 在留資格申請・審査
- 入国・初期講習
- 企業での育成就労スタート（原則3年）
- 帰国または特定技能等への移行
7.よくある質問（FAQ）
【制度概要】
Q1.育成就労制度はいつから始まりますか？
現時点では2027年頃の導入が予定されています。
Q2.技能実習生とどう違いますか？
技能移転ではなく就労が主目的で、転職も原則可能になります。
Q3.どのくらいの日本語力が必要ですか？
N5〜N4程度が目安ですが、職種によって異なる可能性があります。
Q4.育成期間終了後はどうなりますか？
特定技能1号や2号への移行が想定されています。
